物理科学課題演習 A4 のテーマは「粒子の加速」です。 理論ゼミナールでは、特殊相対性理論を勉強いたします。
1 - 2 回生での勉強を通じて、特殊相対論の初歩を既に学ばれた 方も多いだろうと思います。種々の加速器を用いて、粒子をターゲットに 当てるとき、はじめにどれくらいの速度で入射したら、どの方向に どんな粒子が、どのような速度、あるいはエネルギーで、どれだけ 出てくるかということは、もちろん粒子の種類と相互作用によります。 この中で、初めと終わりの粒子の速度やエネルギー等は相互作用の 詳細にはよらず、各種の保存則やパウリ原理等の粒子の統計性のみで 決まっています。これらを粒子の「運動学」(kinematics) といい、 粒子の収量等、相互作用の詳細に密接に関係する「動力学」(dynamics) と明確に区別して考えています。最終目標は、勿論、相互作用の詳細を 調べることによって、反応のメカニズムや粒子の構造を調べる事ですが、 そのためには、まず、kinematics を正確におさえることによって、 自分が見ている粒子が何かということを確信を持って知ることは 大変重要なことです。
そこで、このゼミナールでは 「Nuclear and Particle Physics Simulations」 というテキストの Chapter 3 「Relativistic Kinematics」 の部分を用いて、主に演習問題を解くことによって相対論的 kinematic が自由に使いこなせる 様になることを目標とします。1:30 から 3:00 - 3:30 位まで 6 回のセミナールですが、下に用意したノートを使って 2 回分は テキストの説明をして頂きます。後の4 回は、皆さんにテキストの 3.9 Exercise の問題を解いて頂きます。どなたも最低 1 回は あたるようにしてください。このテキストには、Cups programs という computer soft がついていて、楽しく学べるようになっています。 A4 のノートパソコンにインストールされていますので、せいぜい利用してください。 自分の持っているパソコンにインストールされても結構です。ただし、新しい パソコンにはパッチが必要です。
12 月 17 日の 2 回目は 3:30-5:00 です。